露枝の雑文館 近辺事片拾い詠み

館長露枝(Roshi)による四季折々の五七五七七です。  イラストの配布元はパブリックドメインQです。 

繁華なる蕎麦屋でゆらゆら銚子酒

いま、蕎麦屋から帰って来ました。
昨年の大晦日までは出前を取っていました。
しかし、出前だとどうしても “当たり外れ” があります。

大晦日は言うまでもなく蕎麦屋の書き入れ時です。
タイミングが合うと茹で加減の丁度良い蕎麦が出前されますがタイミングが合わないと硬すぎたり延びていたりです。
そこで今年は重い腰を上げて店に食べに行くことにしました。

午後5時辺りを過ぎると出前の盛りが始まるのは想像に固くありません。
そこで出前の盛りにはぶつからないであろう4時前に入店しました。
先客が2組、蕎麦を啜っています。
私はビールと板わさ、油揚げの焼いたのを注文しました。
ビールが終わったのでお銚子を注文し、大晦日特別メニューという「大海老天ざる蕎麦」を頼みました。

お調子は良い加減に燗をされ直ぐに出て来ました。
チビリチビリとやっている内に蕎麦が到着したのでお調子もお代わりして蕎麦を肴にチビリチビリ。
やはり蕎麦は 「出前より店」 の感が深まるシャキッとして角の立った美味い蕎麦です。
蕎麦も大海老も腹に納め、蕎麦湯を貰い、汁に注ぎ入れてチビリチビリ、満足、満足。

明るい内に店に入り明るい内に店を出る “蕎麦屋飲み” の贅沢を味わいつつ帰宅しこの日記を書いています。
もし、この文章の中に誤字脱字やおかしな所があったとしてもそれは私の責任ではありません。
苦情は蕎麦と大海老そしてお酒の方にお願いします。

せめてもの思いが集うイブの夜

きょうはいつもなら午前中に済ませる1週間分の買い物に先ほど4時過ぎに行きました。
いつもの通りをいつものように商店街に向かっているといつもなら見られない路上駐車の列が出来ていました。
はて、何かあったのかと歩いて行くと納得できる光景に出会いました。
 
我が家の直ぐ近くにファミリーレストランがあります。
そこに入る車は専用駐車場があるので路上駐車をすることはありません。
レストランの出入り口付近は自転車で溢れていますが交通秩序を乱すほどではありません。
それがきょうは路上駐車の車、車、車 ・ ・ ・ ?

きょうはクリスマス・イブ。
ファミリーレストランが販売するクリスマスケーキを受け取る人たちの車が一時的に列を作っていたのです。
ケーキの予約は1週間ほど前からレストラン出入り口脇に小さなテントが建てられて受付をしていました。
そこで予約をした人がレストランの裏手にある駐車場の一角に建てられたプレハブで予約したケーキを受け取るシステムのようです。
何気なく見ていると車から母子と思われる二人が降り、プレハブに向かいケーキを受け取りました。
子供は母親に何か話しかけ、母親も笑顔で何かを言っています。
大きなケーキの箱を持った二人は車に戻り、運転席の父親と思われる人と二言三言笑顔で話し、車は発進して行きました。

きょうはこのような光景が続いていたのでしょう。
政治も景気も混乱と混沌を極めていても日々の行事は訪れます。
混乱と混沌の今だからこそいつものようにクリスマス・イブを楽しみたいのかも知れません。
そう言えば買い物に入ったいつものお店もチキンをメインにした “クリスマス惣菜” が大きなスペースを占めていました。
クリスマスケーキとクリスマス惣菜、そして子供たちの笑顔があれば取り敢えずは楽しいクリスマス・イブの出現です。
多忙な年末の一日、少しだけ普段を忘れるのも悪くはありませんね。
甘いものが苦手な我が家にクリスマスケーキはありませんが美味しい冷凍食品のチキンなら冷凍庫に入っています。
今夜は少し多めに “チキンのから揚げ” をレンジでチンし、本物のビールも飲もうかな。

去年とはまた少し早い年の暮れ

きょうは病院の定期検診でした。
検診時の脱いだり着たりが面倒なので今のような寒い時期でも薄着で出かけます。
厳しい寒さと言っても往復はマイカー、病院内は暖房が効いているので問題はありません。
身支度を終え、車に乗り込み、エンジンキーを回したらカリカリカリと音がするばかり。
エッ、おい、どうした? ・ ・ ・ そうです、バッテリー上がりです。
 
グズグズしては居られないので薄着のままバス通りへ出てタクシーを拾いました。
そして帰りもタクシーにて帰宅。
万一を期待して車にキーを差込みましたが当然ながらカリカリカリ ・ ・ ・ 。
「万事休す」で仕方なくディーラーに電話をして人を寄越して貰いチャージ。
そして、そのままディーラーの店舗へ行き新しいバッテリーに交換しました。
 
ディーラーの担当者からは 『そろそろ危ないですから気を付けて下さいね』 とは言われていました。
しかし、14日の金曜日には何の問題も無くエンジンはかかったのにまさか大事な病院に行く朝に上がってしまうとは。
バッテリーはほぼ2年とは言われていたのですが凡そ3年持ちました。
乗らない割りには持ったと言えるのですが肝心な時にバッテリーは上がります。
バッテリーに限らず世の中の困り事は最悪のタイミングで起こるようです。
 
今年も残すところあと14日。
何事も無くクリスマスを迎え、大晦日に辿り着き、新しい春に面会できれば幸いです。

胃カメラに慣れて悲しき老齢化

きょうから12月、師走です。
毎年のことですが師走に入ると 『もう12月、一年もそろそろお仕舞い、早いなぁ』 と思います。
今年は突然の選挙で慌しさと喧騒が一層です。
しかし、今回の選挙ほど新聞を読んでもテレビ、インターネットを観ても分かり難い選挙はありません。
“雨後の筍” のように政党が増えたかと思うと、また新しく出て来た党と合体したり吸収されたりで “離合集散” というより野合の積み重ねです。
どこの党、どこの(前)議員も 『国民の生活より自分の生き残りが1番』 のようで、その部分では議員というものの本質が分かり易く出ているとも言えます。
 
そして、師走12月の私の 「事始め」 は きょう一日の “胃カメラ検査” です。
特に身体に変調があったという訳ではなく主治医の 『暫く胃カメラをやってないので年内にやっておこうか』 で決まりました。
確かに以前は1年に1回は胃カメラをやっていました。
しかし、主治医が代わった3年ほど前からはやっていませんでした。
 
私は胃カメラは苦手です。
既に10回以上はやっているのですが慣れません。
喉に麻酔 (液状) を施してからカメラを入れるのですが直ぐに 『オエッ』 と来ます。
涙も鼻水も涎も大量に流れます。
 
そして今日の胃カメラ検査です。
3年前と同じように看護師が液状の麻酔薬を喉に流し入れ、飲み込まないように上を向いて耐えています。
暫くして検査開始を告げられたので麻酔液を飲み込み、身体の左側を下にしてベッドに横たわります。
マウスピースを噛まされ胃カメラが入って来ます。
 
おやおや、3年前の検査時ほど 『オエッ』 が酷くなく 『オエッ』 といった程度です。
涙も鼻水も涎も流れはしますが3年前に比べたら極々僅かです。
そして、組織の一部を削り取って10分程度で検査は終了しました。
胃カメラを担当した医師の直後の所見では 『良くない部分は有るものの気にする程ではない』 とのことで取り敢えずは一安心です。
詳しい検査結果は2週間後の定期検診の時に主治医から知らされますがそれまでは多少とも気を緩められます。
 
それにしても3年前と今日とで胃カメラの検査方法は変わっていません。
胃カメラの担当医も代わっていません。
胃カメラの口径も当初と比べると大幅に細くなりましたが3年前とは変わりません。
変わったことと言えば私が3年前より3歳、年齢を重ねたことだけです。
と言うことはこの3年の間に私の身体 (喉や食道) は鈍感になったというのでしょうか。
鈍感になるということは普通なら良いことではありません。
しかし、胃カメラの検査に対してこれまでより苦痛が軽減されたということは歓迎すべき状態です。
願わくばこの “鈍感力” が身体的な部分で止まり、知性や感性にまで及んでいないことを祈るばかりです。